令和6年度 「TWVの日」薬師岳登山と太郎平散策の報告

WE ARE BACK(私たちはまた山に戻ってきました)

OB会会長 中西 修(S50年入部

 前年開催の富山大学ワンダーフォーゲル部創部70周年記念OB会総会で、会長就任を機に「TWVの日」を制定し、「GO CLIMB AGAIN=あの青春時代をもう一度、年に一度は山に登ろう」と呼びかけたところ、多くの皆さんの賛同を得て、TWVOB会合宿を行うことになりました。
 その際、どの山に登るか。OB会の山と言えば、これまでは主に立山・浄土山周辺でした。第1回として少しハードかなという思いもありましたが、現役時代に春山合宿などで親しみもある薬師岳はどうかと総会で提案。OBの皆さんからは「ちょっと厳しすぎるのでは、無理かも」などといった声も聞かれましたが、当人は「とにかく太郎平まで頑張って登って、小屋で懇親を深めて、翌日下山すればいいのでは」という安易な気持ちで計画を遂行させていただきました。
 今年に入り、参加者を募る事前アンケートを行ったところ、参加希望のほとんどの人から「太郎平止まりでなく、薬師岳に登る」という力強い回答を得ました。「それなら初志貫徹、頑張るしかない」と薬師岳登頂めざす、初のOB会合宿を決行することになりました。
 合宿当日、週間天気では2日間ずっと雨マークで浮かない気持ちでしたが、皆の気持ちが通じたのか、曇りながらなんとかもちそうなお天気です。行動は、各年代に分かれての出発で、折立からは、相変わらずの急登が待っています。それでも皆さん、昔取った杵柄か、ゆったりとしたペースですが、確かな足取りで着実に高度を稼ぎます。ただ、久しぶりの山という人も多く、進むにつれ「1本」の間隔は段々短くなっていきます。山は、連日猛暑の下界と違って既に秋の様相、心地よい風が吹き抜けます。途中、現役時代にしごかれた恨み節を唱えながら、また、音を上げそうになった先輩を励ましながら、和気あいあいと登っていきました。
 5~6時間かけ、なんとか宿泊地の太郎平小屋に到着です。てっきり、ここで「明日はこのまま下山という声が聞かれるのかな」と思ったのですが、あに諮らんや、「明日は朝食用弁当を持って、5時に出発する」の声、皆の心の中にいままで眠っていたワンゲル魂が蘇ったのです。
 翌日も天気は我々に味方しました。曇り空ながら遠くに槍穂高連峰を仰ぎ、登山道脇の斜面一面に広がるチングルマの綿毛や、秋はまだ早いと咲き誇るハクサンフウロに癒され、オコジョがひょっこりと現れ、我々を歓迎、ライチョウの群れも登場して、ついに薬師岳の山頂を極めました。
 山頂滞在は、記念撮影などのわずか数分でしたが、改めて大学4年間を共に分かち合ったワンゲルの絆と山のすばらしさを実感したひと時でした。また、前夜、小屋での集会でも年代は違えども、同じ釜の飯を食べた仲間、世代を越えての交流に花を咲かせました。
「GO CLIMB AGAIN」宣言から一年、私たちは今、「WE ARE BACK」また山に戻ってきました。アンチエイジング、これからも一緒に楽しく山に登りましょう。
 最後に、今回の合宿において、計画の立案から参加者の募集、バスの手配など緻密な計画を立て、実行に移してもらった役員各位には深く感謝します。また、遠路参加し、会を盛り上げていただいたOBの皆さんありがとうございました。

第2回「TWVの日」OB会合宿の提案
 下記計画が第1回OB会合宿の集会で内定しました。当初は2日目、雷鳥沢から奥大日岳、大日岳を越えて、称名に下山する案でしたが、その後、薬師岳以上にハードという声もあり、奥大日岳(往復)としました。雷鳥沢ヒュッテは、温泉もあるので、温泉だけを楽しむのも可能です。
◇日 程  2025年8月23日(土)24日(日)
◇目的の山 奥大日岳
◇宿泊地  雷鳥沢ヒュッテ *温泉あり
◇コース  1日目 富山=室堂―雷鳥沢―雷鳥沢ヒュッテ(宿泊)
      2日目 雷鳥沢ヒュッテー奥大日岳―雷鳥沢ヒュッテー室堂=富山
◇検 討  健脚者は奥大日岳、大日岳を越えて、称名滝方面への下山もあり
      ただし、称名からの交通手段は要検討
◇その他  募集開始は来年(2025年)5月頃

以上

会計報告

会計 藤岳亮子(S50年入部

下記の通り、会計報告をいたします。

【期 日】令和6年8月24日(土)~8月25日(日)
【参加者】20名

<収入>金 額備 考                    
参加費420,000円21,000円 × 20名
収入合計420,000円
<支出>      金 額備考                    
宿泊費(太郎平小屋)234,000円11,700円 × 20名
保険料6,020円301円 × 20名
バス代135,750円(貸切バス代)62,700円 × 2日=125,400円
(有料道路代)4,900円 × 2回= 9,800円
(バス代振込手数料)550円
支出合計375,770円
<残金>     金 額 備考                    
残金44,230円〈収入〉420,000円-〈支出〉375,770円

◎残金44,320円は、TWVOB会通帳に入金いたします。

以上

山行記録

羽場 政彦(S56年入部

◆登山日:令和6年8月24日(土)・25日(日)
◆参加者:20名(男性8名、女性12名 内1名はワンゲルOB友人)
      富山県8名、石川県4名、愛知県2名、東京都2名、大阪府1名
      兵庫県1名、茨城県1名、島根県1名
◆コース:

1日目   7:00 富山駅→ 7:30 新富バスセンター→ 7:50 立山アルペン村→
9:20 折立登山口→ 16:00 太郎平小屋
2日目Aグループ太郎平散策 → 折立登山口           
B~Dグループ5:00 グループ太郎平小屋→薬師岳→
太郎平小屋→ 16:20 折立登山口
17:30 新富バスセンター→ 18:00 富山駅着

◆会 費:21,000円(バス代、宿泊代、食事代、保険料等)
◆運 営:TWV OB会長以下役員10人が複数回の会議を行い計画・実施・報告
◆薬師岳山頂めざして:
 数日前に発生した台風10号を気にしながら、「中止になったらどうしよう」「2日間とも雨の中の登山か」などみんなが心配していました。しかし、20名の願いが届き、快晴とは言えませんが、最終日の太郎平小屋付近からの下りだけ雨となりました。
 大学時代とは違った登山、行きのバスの中から同期入学の方は懐かしい話がはずみ、ワンゲル時代は重ならなかった人達もすぐに打ち解け合い、「自分たちの時代は○○だった、あなた達の時代はどうだった?」「やっぱり一緒だね。違ったんだ、いつから変わったかね」などなど話しているうちに、あっという間に折立に着きました。
 昔取った杵柄か、バスを降りると登山靴を履き、パッキングの確認、水の補充、準備体操など各自が手際よく出発の準備です。私自身、大学時代は苦い経験の登山でしたが、OB会の登山は晴れ晴れとして、楽しさとうれしさと天気よ何とか持ってくれと祈るだけでした。また、数日前には登山道に熊が出没して全国ニュースにもなり不安でしたが、常に誰かの笑い声や昔話があり熊は近づけなかったようです。
 初日はB~Dグループの3つのグループに分かれて行動しました。私(羽場)はDグループでしたので、その行程時間を中心に記載します。

1日目 8月24日(土)天気 曇時々晴

 9:20 折立登山口 出発
 9:45 1500m付近(休憩)
 10:30 1670m付近(休憩)
 11:40 三角点(休憩&昼食 すべてのグループ出会う)
 13:05 1980m付近(休憩)
 13:27 2003m付近(休憩)
 14:20 五光岩(休憩)
 15:05 太郎平小屋 到着(16:00までにすべてのグループ到着)
 17:45 夕飯
 19:30~20:00 五十島博文氏(小屋主)から話を聞く
 21:00 消灯

 最初の一本はつらいもの、大学時代から嫌という程知っていて覚悟していても、やはりつらかった。でも、そこはOB会の良さ、「つらかったらすぐに休憩しようね」を合い言葉に、少しずつ少しずつ太郎平小屋をめざして歩きました。足を出せば必ず近づく、そう信じて三角点、五光岩を過ぎ、ついに小屋が見えた瞬間は、また力がよみがえっていました。少し遅くなった人もいましたが、自分のペースで、山を楽しみながら、花を見ながら、昔を思い出しながら頑張りました。大学時代のように、ノルマのアルコールをザックに入れ頑張りました。
太郎平小屋に着くと、何と言ってもジョッキで飲む生ビール!多くの人がためらわずに

飲んでいました。1杯1200円でも安いと感じたのは私だけでしょうか。部屋は20人の貸切部屋で、和気藹々と過ごすことができ、話も弾みあっという間に夕食の時間となりました。夕食後は、小屋主のお話を1時間ほどお聞きし感動と昔がよみがえりました。小屋ができた頃の話、昭和38年の愛知大学の遭難事故など五十島さんの実体験の貴重な話に胸を強く打たれました。
その後就寝。疲れがとれたかとれなかったかわかりませんが、翌朝4時起床、5時出発と皆さん張り切っています。

2日目 8月25日(日)天気 曇のち雨

4:00 起床
5:00 太郎平小屋 出発
5:20 薬師峠(休憩)
6:10 薬師平(休憩)
6:25 2650m付近(休憩)
7:20 薬師岳山荘(休憩)
8:30 薬師岳2926m山頂(休憩)
9:25 薬師岳山荘(休憩)
10:05 薬師平(休憩)
10:40 薬師峠(休憩)
11:00 太郎平小屋(休憩&昼食)

 中西会長の話では太郎平小屋をめざそうでしたが、ほとんどの人がここまで来たなら薬師岳山頂をと、ワンゲル魂がよみがえっていました。途中、オコジョやホシガラスが迎えてくれ、また雄大な景色が支えとなり無事山頂にたどり着きました。
頂上での記念写真は格別で、改めて「山って素晴らしい、また来たいな」と思う一時でした。下りは、あれよあれよという間に小屋に着き、お昼は皆さん小屋名物のラーメンを食べ、最後の下山に向けての力を蓄えていました。
 残念ながら、この頃から雨が強くなり、カッパでの下山となりました。

12:00 太郎平小屋 出発
12:45 2050m付近(休憩)
13:54 三角点(休憩)
15:38 折立登山口 到着(~16:10までに全員下山)
16:20 折立登山口 バス出発

 やはり山は登りより下りの方が要注意です。特にOB達にとっては、「膝が・・・」です。ゆっくり無理せず、みんなが力を合わせて、バス時間に間に合うか心配しながら下山しました。幸い大きな雨にはならず、道が川のようになることはなく、無事下山できました。
 折立登山口で待機していたバスに乗り込み、富山駅めざして走り出しました。楽しかった2日間、また来年も、トレーニングをやろうなどが聞こえたバスはほぼ時間通りに新富バスセンター、富山駅に到着しました。その後、富山で一泊する人や新幹線で帰る人、様々な光景でしたが、この2日間は良き思い出となって、来年まで毎日の生活が送れることを願っております。
 皆様のご協力により、無事2024年度の「TWVの日」登山報告を終えることができ感謝いたします。以下に少しですが、思い出の場面を紹介します。

以上