【山行記録】低山山行 富山編~尖山(とがりやま) (S50 藤岳 亮子)

低山山行 富山編~尖山(とがりやま)
<S50入部 藤岳 亮子>

 わたしは平成 28 年度末に退職し、その後3年間第二の仕事を、その後縁あって今の仕事をしています。今はこれまでよりは平日、土日とも余裕がありますが、これまでは休日も少なく、怪我をしては迷惑がかかるとの心配から、なかなか山行に踏み出せませんでした。さらに、主婦としては旦那・子供を置いて自由に山に行くこともためられ、その上親の介護もあり、60 歳台前半までは山は眺めるものでした。しかし、ここ数年は、主人をともなって(主人が行ける低山に限ってですが)時折日帰りで低山に出かけています。社会科の教員だった主人の趣味に合わせ山城に行くことも好きです。

 今回は、富山の人間なら誰でも知っている尖山を紹介します。尖山(「とがりやま:標高 559.3m 立山町横江」)「とんがりやま」とも呼ばれていますが、「手軽に安心して登れる山の代表的な超人気の山」です。どこから見ても、円錐形をした三角形のピラミッド形をした山の形が、わたしのお気に入りポイントです。「とんがり」山は、越中の神話で布倉姫の住み着いた山であるとされ、かつては麓一帯を布倉村と言ったそうで、この山も「布倉岳」が正式の呼び名だそうです。今は「とがりやま」と呼ばれていますが、下のような俗説があるそうです。(登山道入口の看板に書かれています)

尖山はピラミッドの跡である。
UFOが着陸する目標として築かれた。
尖山の上空をよくUFOが通過する。
頂上では磁気の異常で方位磁針が狂う。 等々

おもしろいですね。
 山の形がよく、UFO伝説やピラミッド伝説などもあるためか、低山のわりには、子供から大人まで、県内外に人気のある、不思議な山のようです。


立山町吉峰から見た尖山

 さて、わたしは、尖山に年に3回ほど登っています。思わぬ時間ができた時暇な時の足慣らし、怪我のあとの復帰登山、いろいろな理由をつけて登っています。特に、コロナ禍にはなかなか山行ができなかった人たちが体慣らしやトレーニングに登っていたようで、私たちも何回かご一緒しました。

 5月4日(土)連休後半2日目、朝、洗濯物を干していた8時過ぎ、「おい尖山に行こうか」の主人の声、さっと準備をして 8:30 に家を出ました。途中「アルペン村」のコンビニでおにぎりを買いました。350 円ごとにお茶が無料でもらえ2本ゲットしました。連休とあってアルペン村は観光客でいっぱい。すぐそばの「地元名物のコンビニ 立山サンダーバード」でサンドイッチを買うつもりだったのですが、車とバイクが店の前にずらりと駐車していて止められず。ここもまた大賑わいでした。

 9:30 県道富山立山公園線の横江集落入口にある駐車場に到着。30 台ほど止めることができる駐車場には、これまで見たことのないような数の車が止まっていて、空いているところがありません。見れば、富山に交じり、石川、大阪、多摩等、県外ナンバーの車があります。トイレの横に何とか車を止め、出発しました。どうしても駐車できない場合は、少し歩きますがアルペン村向かい(道を挟んだ向かい側)に止めるといいそうです。ただし、アルペン村フロントに伝える必要があるようです。

 10:00 メインルートの横江集落入口から歩きます。天気がよく風もさわやかで気持ちがいい日です。熊鈴をつけていきましたが、多くの人がいて全く大丈夫でした。駐車場からは、石川のご夫婦と5歳くらいの男の子を連れたママの2組と一緒に登っていきました。「尖山登山道」の標識からのスタートでは、片道約 1.3 ㎞・標高差 240mほどの登山になります。(この標識は新しくなったようで、きれいでした)

 10:30 砂防堰堤手前の広場に到着。ここからいよいよ林道になります。ここまでの途中「夏椿峠ルート」の入口があります。ここから登ると、山頂の約 100m手前でメインの「尖山登山道」に合流します。 尖山登山道の看板谷沿いの道は木陰が多く今の時季は涼しく気持ちよく登れます。途中には「頂上まであと 400m」「頂上まであと 200m」の標識があります。

 11:30 頂上に到着。昼とあって皆さん楽しく昼食タイム。頂上は台地状で2等三角点があります。眺めが抜群で、ここが低山とは思えません。目の前に来拝山、大辻山、鍬崎山、弥陀ヶ原、そして大日岳、剱岳。北には毛勝三山、僧ヶ岳、南に立山、竜王岳、鷲岳、そして薬師岳。富山平野や富山湾、遠く白山まで見ることができます。


「尖山登山道の標識」


尖山登山道の看板


尖山頂上の標識


尖山頂上からの眺め

 12:20 買ってきたおにぎりを食べ、次々に来る皆さんに場所を譲り下山しました。上りは 1 時間、下りは 40 分です。途中、登山道を軽快なステップで走って登ってくるトレイルランニングの一団と会いました。ここはトレーニングの場所のようです。

 13:00 過ぎ 横江の駐車場に着きました。途中には、沢の水を引いている場所があり水が出ています。ここで靴の泥を洗えるようにとの配慮でしょうか。水が流れるホースの横には 微笑んでいる石の布袋様がおられました。帰りこそ「立山サンダーバード」に寄って話題の「ほたるいかサンドイッチ」や「富山ブラックラーメンサンドイッチ」などを買おうと思っていたのですが、この日は自然薯を売る店が出ていて大賑わいであきらめました。

 今年初めての尖山でしたが、何回登っても飽きの来ない山です。