講演会報告

講演会報告

講演会
 演 題 「夢は叶う!!世界一の頂からみえたもの」
 講 師 佐伯知彦氏(立山ガイド)

まず、プロフィールについて、曾祖父「平蔵」、「立山曼陀羅」の映像を交えて話していただいた。厳しい表情で山をガイドする曾祖父「平蔵」の映像、初代の思いを引き継ぎ「四代目平蔵」と名乗り、芦峅のガイドとして案内活動を行っている。「立山曼陀羅」の絵解き、立山には地獄と極楽の世界がある。地獄谷はまさに地獄の世界を、雄山や浄土山は極楽の世界を表している。

次に、「エベレスト登頂」についての話になる。幼少の頃からぼんやりと抱いていた夢「エベレストに登りたい」(芦峅寺ガイドの家に生まれたこと、曾祖父が初代平蔵であること、が大きくかかわっている)が明確な夢となるきっかけ。それは、力を入れている小学校立山集団登山のインストラクターの仕事や事前の立山学習授業の中で、子供たちからの問いかけだった。

    Q:「日本一の富士山に登ったことがある?」 
   A:「もちろん、何回も。」
   Q:「じゃ、世界一のエベレストに登ったことがあるがけ?」 
   A:「うーん、ないです」

「どうやって登るか」5年をかけて、技術と経験を積み、資金を募る。ところが、5年間の海外登山の中で、高所肺水腫となり、8,000M級の山に登ることにドクターストップがかかってしまう。

「エベレストに登る」という夢を諦めない。たくさんの医者の元を訪れ、見つけた方法(昆布やワカメから海洋性ミネラルを摂取する)で高所肺水腫に打ち勝つ。さらに難題であったスポンサーにも巡り合う。(それまでには門前払いもあったという)

日本を発ち、空港に降り、そこからエベレスト頂上に立つまでの息をのむような臨場感あふれる美しい映像。BC、C1、C2、C3、C4と着実に高度を上げ、いよいよ頂上アタック!ここは本当に8,000Mのエベレスト?頂上付近では目を疑うようなまさかの大渋滞。頂上では、我が富山県旗を掲げた。

最後に、佐伯さんの熱い想い。「諦めなければ夢は叶う!」「チャンスをつかめ、夢は大きく。挑戦するってすばらしい」の言葉の数々。さらに、富山県では立山集団登山を実施する学校が減っている。その受け皿となり、かつての「元服登山」の文化を引き継ぎ、子供たちに立山に挑戦させたいという願いのもと数々のプロジェクトを行っている。

会場からは、「佐伯さんの好きな山は?」という問いが。エベレストとその麓の村々の写真、そして立山と富山平野の写真を2枚並べて、「似ていませんか?」。「やはり、好きなのは立山、剱岳ですね。」と答える佐伯さんに、OB、現役生から大きな拍手が送られた。

S50 藤岳 亮子 記